内科系 医学 身体診察

肺の聴診はどうやってやるのか

肺音とは

  • 肺音は,正常で聴こえうる狭義の呼吸音(breath sounds)と,正常では聴こえない副雑音に分類される.
  • ラ音とは,副雑音のうち,胸郭内に由来する音を指す

  • 気管➡気管支➡細気管支➡終末細気管支➡肺胞と,末梢の気道へ到達するほどひとつひとつの管は細くなるが,断面積の総和は大きくなっていくため,気流の流速は遅く,音は弱くなっていく
    • つまり気管呼吸音➡気管支呼吸音➡肺胞呼吸音の順に低く小さい音に変化していく
  • 気管支呼吸音と肺胞呼吸音は以下のように分布する

 

 

聴診のコツ

肺の解剖

  • 聴診の際には以下の解剖を意識して行う.
    • 前面は主に上中葉であり,下葉の聴診は必ず背側で行うべきである
  • 気管が左右に分岐する気管分岐部は、胸骨角(第2肋骨)の高さにあるである。
  • やせた中年女性に多い気管支拡張症は中葉舌区を意識した聴診,すなわち,乳頭付近の第 4~6 肋間付近で,乳房を持ち上げて聴診することが重要である.
  • 肩甲骨下端は椎体高位Th8あたりに位置する

 

 

 

 

聴診の順番〜左右差を意識する〜

① 聴診器は患者さんの皮膚に「きっちりと押し付けるように」当てる
② 極力大きく深呼吸をしてもらうようにする
③ 前面後面,上中下肺野,左右の計12カ所を左右差がないか,交互に聴く

レジデントノート Vol. 18 No. 3(5月号)2016 より引用

 

ここで聴こえるはずだと意識する

  • 患者背景や病歴から「身体診察前の確率」を見積もるトレーニングが必要。
    「何となく」ではなく「ココにこの所見があるはずだ!」という気持ちで身体所見をとらないと、聴こえてこない
  • 細菌性肺炎の100症例中の41症例ではcracklesが聴取できなかった報告もある
    • 少なくとも「cracklesを聴取しないから」という理由で肺炎を除外するべきではなく,病歴から強く肺炎を疑う場合にはほかの身体所見を駆使して「肺炎を見つけにいく」という姿勢が重要

crackleは時相を意識する

  • 断続性ラ音は,周波数が低く持続時間の長い coarse crackles と,周波数が高く
    持続時間の短い fine crackles に分けられる

    • coarse cracklesはさらに以下2つにわけられる
      • holo inspiratory crackles→肺炎、心不全、肺胞出血
      • early or early to mid inspiratory crackles→COPD、気管支拡張症、DPB、気管・気管支炎など
    • fine crackles(捻髪音)
      • チリチリ、パチパチとした音
      • 間質性肺炎は有名だが、心不全回復期でも聴取できる

 

参考文献

身体診察 免許皆伝 目的別フィジカルの取り方 伝授します 平島 修 (他編)

レジデントノート Vol. 18 No. 3(5月号)2016

ネッター解剖学アトラス

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