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β2ミクログロブリンはなにもの?

β2ミクログロブリンはどこにいる?

  • MHCクラスI分子のL鎖を構成するタンパク質である.β2ミクログロブリンは MHCの外側で非多型性の遺伝子によりコードされる細胞外タンパク質である。

  • 構造的に免疫グロブリンのドメインと相同性がありすべてのクラス1分子間において共通である.

  • 赤血球を除く全身の有核細胞の細胞膜に存在する。

 

β2ミクログロブリンの代謝

  • 分子量約1.2万と低分子のため腎糸球体から容易に通過し、尿細管で再吸収、分解される
    • 血清β2mの基準範囲は,1.0~1.9 mg/L である
  • 他の低分子蛋白も腎で代謝されるが,網内系でも一部代謝されるのと対照的に,β2ミクログロブリンの異化はほぼ腎経路のみのため,腎糸球体濾過量(GFR)の影響を大きく受ける
  • すなわちクレアチニンやシスタチン C と同様に血中濃度は GFR と反比例する.特に人工透析により,β2ミクログロブリン 値は著明に上昇し,腱や滑膜にアミロイドとなって沈着することがある(透析アミロイドーシス

 

疾患とβ2ミクログロブリン

①細胞の回転が亢進する腫瘍性疾患や炎症性疾患、感染症でも血中濃度が上昇する。

この特徴を利用し多発性骨髄腫では疾患の病期分類に用いられている.ただし多発性骨髄腫では GFR が低下することが多いため血中 β2m の上昇を来しやすいが,腎機能が正常な場合は血中で多少増加しても尿に排泄される.尿中においては,血中から再吸収閾値を超えたものがオーバーフローしてきた場合に高値に定量される

血球貪食症候群の病勢を反映するマーカーとして尿中β2ミクログロブリンが有用であることが報告されている1

 

②③ 腎機能障害近位尿細管障害があると、尿中β2ミクログロブリンは上昇する。よってNAGとともに尿細管障害の指標として用いられる

 

引用文献

1:Hibi S, Ikushima S, Fujiwara F, Hashida T, Tsunamoto K, Todo S, Imashuku S. Serum and urine beta-2-microglobulin in hemophagocytic syndrome. Cancer. 1995 Apr 1;75(7):1700-5. doi: 10.1002/1097-0142(19950401)75:7<1700::aid-cncr2820750722>3.0.co;2-d. PMID: 8826930.

 

参考書籍

異常値の出るメカニズム 第7版 河合 忠 (監)

分子細胞免疫学第9版

 

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