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頭頸部リンパ節の診察ポイント

あらママ
頭頚部リンパ節は、耳鼻科医、頭頸部外科医、血液内科医だけでなく一般内科医でもよく診察します。基本的な触診の仕方や鑑別疾患についてまとめました。

頸部リンパ節腫脹の検査についてはこちらをご参照ください。

リンパ節の構造

  • リンパ節とは,リンパ管系の途中にある組織で,リンパ管から流れてくる異物を処理し,異物が組織や血管内に侵入するのを防ぐはたらきをもつ.
  • また,リンパ節はリンパ球の分化・成熟に重要な役割を果たす場所でもある.
  • リンパ節の構造は,外側から皮質,傍皮質,髄質に分けられる.
  • 体表から触れるリンパ節には、頭頸部、腋窩、滑車上リンパ節がある
    • 滑車上リンパ節は触知できることがすでに異常

リンパ節腫脹は年齢と数がポイント

  • 基本的には直径1cm以上を腫脹とするが、鼠径部は2cm、滑車上リンパ節は0.5cm以上を腫脹と考える
  • まずその患者が40歳以上or以下がポイント
  • 1領域より多いのか、少ないのかは、悪性疾患や細菌性orウイルス性の鑑別につながる
    • 全身性リンパ節腫脹を起こすものには悪性腫瘍、薬剤、膠原病、ウイルス感染などがある

  • 上記フローチャートにはないが、圧痛や可動性の有無も鑑別には重要である

頸部リンパ節の触り方

  • 極力片端ずつ触り、左右差がないか意識をする
  • 顎下部やオトガイ下部リンパ節に関しては、顎を引いてもらうと触知しやすい

頭頸部リンパ節腫脹の鑑別

  • 国家試験的には前頸部リンパ節腫脹ときたら溶連菌感染症、後頸部リンパ節腫脹ときたら伝染性単核球症である
  • 顎下リンパ節腫脹は口腔内の感染症(う歯や歯周炎、悪性腫瘍など)を考える
  • 数珠状に腫脹し、強い圧痛を伴う女性をみたら菊池病を考える1

参考文献

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/kunimatsu/201911/562956.html

聞く技術 答えは患者の中にある 第2版

国家試験後の臨床〈レジデントが学ぶべき100のこと〉

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